店舗の賃借にかかる税務・会計処理 <1>
店舗を賃借する場合、家主に対して「敷金」「礼金・権利金」「家賃」「共益費」の支払いが、また斡旋した不動産業者に対しては「仲介手数料」の支払いが発生します。これらの基本的な会計処理について簡単にまとめました。
敷金
敷金とは、家賃の支払いを担保するために家主に支払われるものです。契約が解除された場合には返金されます。通常は賃借期間が1年を超えるので、「投資その他の資産に『敷金』という勘定科目」で計上します。
契約解除時に賃借人の負担部分である現状回復費用が相殺されて返還されることが多いです。
礼金・権利金
礼金・権利金は「資産を賃借するための権利金等」であり、法人税法上の繰延資産に該当し、支出時の一時の損金とはできません。よって支出の効果の及ぶ期間で償却していきます。償却期間は原則5年(例外規定あり)であり、金額が20万円未満の時は少額の繰延資産に該当するので、一時の損金に算入することができます。
また、契約更新時に支払われる「更新料」についても上記と同様の取り扱いをします。
家賃・共益費
家賃・共益費は発生月の損金として計上できます。契約上、支払時期について「賃借人は毎月末までに翌月分を支払う」と定められている場合には、支払時においてはいまだ役務の提供を受けていないこととなるので、『短期前払費用』の勘定科目で資産計上となります。ただし、短期前払費用の特例(法人税基本通達2-2-14)により損金算入が認められる場合があります。
明日は続きで「仲介手数料」「差入保証金」について挙げていきます。
本日は最後までお読みいただきありがとうございました。